松本民芸館など

長野県松本市に遊びに行った。松本の「なんだかハイカラなところ」という印象はスタイリストの伊藤まさこさんのエッセイのようなものを読んだところから来ていると、ある立ち飲みバーに触れて思い出した。「8オンス」。食事に行く前にここで1杯2杯、長居せずひっかけるのだという文章。二十歳そこそこでそれを読んで、おーかっこいいなぁって思ったのだね。

着いてとりあえず松本民芸館に。民芸という言葉に触れたのは、暮しの手帖の岡本仁さんの連載だろうか。民芸の「民」は使用者のことかと思ったが、作成者のことも含めるらしい。民から興った芸術。≠伝統工芸。展示館であるので、ある意味で感想は多かれ少なかれネタバレであります。この場所のすごいところは展示物に対しての説明がほぼないこと。(館の成り立ちについては説明がある)誰がどんな素材で作ったのかどんな気候のどんな地域だからこんな道具が興ったみたいなことが一切ない。なんなら「民芸ってなに?」の解すらない。入り口のこの言葉だけが頼り。美術館だと説明を読んで絵画を解釈するけれど、なんというか情報を鑑賞してしまいがちなので。野暮とは真反対の展示館でした。