あんこうと大いなるロマン

2018年に夫とみなとみらいで食べたあんこう鍋が妙においしくて、なんだかずっと覚えていたhttps://www.yokohama-akarenga.jp/nabegoya2018/ここにあるあんこう鍋屋さんは検索しても実在しない。幻。

というわけで、あんこうで有名な大洗旅をとっても楽しみにしていた。前日は例の大雪で、キャンセルの電話を旅館にしたが「まぁ、待ちなさい。落ち着いて。明朝も一度電話をよこしなさい」(意訳)と宿の主人にたしなめられ、翌朝様子をみたら道路の雪はすっかり溶けていたので予定通り参ったのです。

大洗付近は雪というか単に雨。マリンワールドを楽しむ。ハコフグ。めくるめくイワシ日野治旅館へ。夜はあんこう鍋。どぶ汁という、あん肝ベースの濃厚鍋をいただいた。具は身だけじゃなく、皮やえらやら色々はいっている。あんこうは体の殆どの部分をたべちゃうのだ。https://www.asahi.com/and/article/20140128/400038855/ あんこうについて。栗原はるみさんの娘さん・友さんの記事がシンプルで十分。彼女は魚屋さんでもある。唐揚げは身で。あんこうくんのルックスからは想像できない素直なふんわり食感でおいしく。歯ごたえのある鱈といった趣。あんきもは脂肪分が40%とというだけあってクリーミーで濃厚。供酢といって、あんこうにあん肝味噌酢をつけてたべるものも。あんこうフルコース。〆は鍋の雑炊で、当然とってもおいしいわけなのだが、あん肝たっぷりのどぶ汁はなかなかの...なかなかの食べごたえ。お酒も少々飲み過ぎ、食べ過ぎ、食べ終わったらもう寝ることしかできなかった。

先日実母と「少量より大量で作ったほうが美味しいのか」という話になり、「おなじ量なら変わらないのでは」と私は主張した。たとえばカレーでもなんでもいいのだが、野菜1:肉1:水1:ルー0.1(分量は適当)という割合が一緒で水の蒸発率がいっしょならいっしょだろうと主張した。

でも、なんか、やっぱり違うかも。火が入るまでの時間が違う。もっと他にも。言語化は割愛するのでぼんやりした話になってしまうが、やっぱり違う。冒頭の幻のあんこう鍋はイベント会場だったので、たぶん大鍋でぐつぐつ煮てたのである。たぶん、アラみたいなぶつ切りみたいなのを延々と煮ていた。

去年食べた、大人が3人くらい入りそうなどでかい鍋の芋煮が思い出され、マレーシアで夫を置いて買いに行った巨大なマーラーカオの切れ端を思い出す(蒸し・焼き物はまた違う原理になってくると思うけれど)もちろん、今回のどぶ汁もとってもおいしかった。小鍋の魅力である「〆」もおいしかった。(胃袋が受け止めきれなかったのが悔やまれる)

それと同時に、大鍋のロマンを改めて実感。そして、なんでもお菓子に結びつけちゃうけど、私がやっているのは家庭菓子なので「大きく作る」は作る&食べるハードルが高い。そして不必要でもある。でも大きく作ったほうが美味しいお菓子もたくさん知ってる。身近ではないからこそロマンなのです。