〜インド ジャイサルメールの砂漠でラクダ歩き② 〜ラクダ遣いの手作りハウスで語らい年越す年末年始

2日目のラクダ遣いは「おれがこの業界では最年長だ」と豪語する「エブラーム」60代で子どもは6人。「子どもが少ないとグッドな靴が履けるし、毎食パンが食べられる。子どもが多いとグッドな靴は履けないしパンは時々ないこともある」と彼は言う。エブラームに連れられ1時間ほどラクダに乗り、お昼ごはん。食事の前には必ずチャイが出てくるが、エブラームはチャイミックスに生姜を入れてオリジナルで作っている「おれはチャイマスターだ」。のんびりと支度を見ながらゆっくり昼食を摂りまたラクダに乗って今夜の宿へ。

その辺の草をむしゃむしゃ食べる。

なんと今夜は屋根がある!「おれが作った家だよ。この中で寝るなら別途1,000ルピーだ!と本当か冗談か分からないことを言う。出会ったインド人の多くは「今のは冗談だよ!」の一言を言うタイミングが遅かったり言わないこともあるので、判別が難しい。あとあと聞くと、エブラームはこの家に住んでるらしい。町に家族の家があり、遠いので普段はここで暮らすと。青空ホテルよりはかなり寒さが凌げるが、屋外である。

エブラームに「このあいだ日本人に2,000円をチップでもらったが、インドルピーだといくらだ?」と聞かれる。為替アプリの画面を見せると彼は学校に行っていないので地元の字も数字も読めないそうだ。そのゆえ騙されることもあるのか、他の人に聞いてから両替所に持ち込むらしい。覚えられないだろう!と思い、筆記用具がないのでアイブロウで適当な紙の切れ端に書いてレートを渡す。証明に使って欲しい。彼の子どもは読み書きできるのだろうか。そんなこんなで9時にはふとんに入り2019年は幕を閉じた。

なんてことなさそうなジャガイモ入りカレーリゾットのようなもの。とーってもおいしかった。

翌朝割と早く目覚めたが、夫はエブラームの「チャイーチャイー」という「チャイできましたよー」の声で目覚めており、なんだかうらやましい。昼ごはんを作ってもらったあとに彼らと別れたがその時エブラームに「おれの名前をおぼえているか?」と聞かれる。その時は覚えてなかったので正直に話すと「3食作って屋根の下に寝かせてあげてそれはひどいなぁ」と言う。子分とヒンドゥー語で『おれらの仕事なんて所詮こんなもんだよ、ツーリストはまったく…(完全に私の想像)』と長々と愚痴のような話をしている。最後に「私の名前は覚えてるの?」と聞いたら「君は名前を言っていないじゃないか」と反撃される。言ったよ。

些細なことかもしれないけど、無性に腹が立った。覚えて欲しいなら繰り返し自分の一人称を名前にして話せばいい。名札でも誰かに作って貰えばいい。腹は立ったが、出会った人のことは「ガイド」「ラクダ遣い」などと職業の人・役割だけで認識せず固有の名前を大切にしよう。私も名前を呼ばれると嬉しいし、と冷静に反省する気持ちもある。と、なんだかよくわからない日記になったが、思い出に残る2泊3日だった。

チャイには砂糖がどばっどばっ!!

「俺の手は真っ黒なんだ」

ラクダどおしが喧嘩して首に噛み付いた!!エブラームは「俺はラクダのいしゃにもなるぜ 」などと言い、傷口に「チリパウダー」を塗っていた。おそろしい。

車で砂漠まで連れて行ってくれたドライバーさん(名前…)彼は20代後半くらいかと思うが、学校には行っていないとのこと。それでも親切な人が英語を教えてくれたんだ、と流暢に喋る。帰り道彼の出身の街へ寄る。「金銭的には豊かではないが、ハートはとっても豊かなみんなだよ」と街のみんなを紹介してくれる。ツアーの通り道で市内と街を往復するから物資や残りの食材などを届けているようだ。ただだだ「偉いな すごいな」と思った。

かわいいいろんな柄の羊。と放牧おじさん(エブラームの友だち)。カメラを指差し「撮ってくれ」との要請。

おしゃべり大好きなおじさんたち。