〜インド アウランガーバードで街歩き〜仏教・ヒンドゥー教・ジャイナ教 手作業の彫刻に見惚れるエローラ石窟群

ムンバイから鉄道に乗りアウランガーバードへ。駅の周りは観光地というよりは仕事帰りの人で賑わうような場所ですが、数十キロ圏に世界遺産を2つ持ち、素敵な文化建築を他にも多く持ちます。まずはエローラへ。ここはジャイサルメールチベット料理店でたまたまご一緒した日本人ご夫妻が「とっても良かった」とおっしゃっていて行くことを決めました。(余談ですが、インド1か月いましたが、飲酒はこの時分けていただいたビールの1回切りでした。その辺の食堂にはお酒おいてないのです。すごいぞインド。)

宿から車で3-40分ほど走るとあらわれます(宿のご主人の勧めでタクシーをチャーター)。岩山を切り崩し作られた大小34の宗教石窟群(仏教、ヒンドゥー教ジャイナ教)。石窟ってなに?かというと、岩山を掘って洞窟にして、そこを更に装飾や仏像を鎮座するために上手に掘ってあるのです。756年から100年以上の歳月をかけてカナヅチとノミで(彫刻刀のような)作られました。当時のインド人の寿命は30年程度がだったようなので何世代にも渡りたくさんの人がこの場所を作り上げてきたようです。作られ時代は初期のインド仏教が衰退しヒンドゥー教が盛り上がっていた頃(ジャイナ教は近隣の偉い人が大切にしていた為いくつか作られた)長い宗教の歴史のなかでそれぞれの石窟がいつ作られたのかを知って観ると「ほぉー」という気になります。

どのような像を作り手を合わせていたのか・修行していたのか。初期には「仏像」という表現がなく(アイディアがなかったのか?作ってはいけないとされていたのか?)ストゥーパ(仏塔)に手を合わせていたり、だんだん仏像のポーズが変わっていったり、途中から蓮が登場したり。一番大きな16窟(ヒンドゥー教)は大変圧巻。巨大な建物があるわけですが、何もない場所に建てたわけではなく、それは岩山を掘り込んで作っている(必要な場所だけ残している)わけです。途方もない。すごいなぁすごいなぁと圧巻の時間でした。(カメラの設定が悪かった=せっかく良いカメラを使っているのに腕が悪い。為、写真の画質がイマイチだ…ご興味持たれた方は他のサイトをご参照ください!)

一番初期の仏教石窟は仏像も無くただただ修行をする空間だけがある。「ヴィハーラ窟」と呼ばれる仏教窟の初期の姿(舗装されて扉とかついちゃってますが)。ヒンドゥー教には出家という概念がないのでこのような修行の場は無いそうです。

入り口の装飾がとても細かくきれい。

肋骨のように作られた石窟「チャイティヤ窟(様式)」というのだそう。ストゥーパが奥にあるので、初期の石窟と思われますが、手前にブッダもいますね。ブッダは後から作られることもあるそうです。↓ 上方まで彫刻びっしり。梯子みたいなものに乗って作業したのだろうか。

夫が撮ってくれた写真なので、これだけ異様にきれいである…

小さなぷっくりモーツァルト?バッハ?の集合体みたいで可愛かった。

石窟の入り口は大抵立派

女性的な豊満バディの仏様。ヘアスタイルも。日本では女神が豊満に描かれることはあまり無いですが、インドではふつうなんだとか。着物は体の凹凸を補正して無くしてから着ますがサリーは脚こそ出さないものの体のラインは出るし、、、みたいな差なのかしら。インド的には卑猥な表現では全く無いそうです。女尊の意。

仏様の手はだいたいこの形。「転法輪印…教えを説いて迷いを粉砕する」を表す形だとか。

社会科見学に大人気のようで、お弁当を食べていた。このくらいの年の子が石窟に来てすることといえば「あー!!!!!!!」と叫んで反響を楽しむことくらいのようでした。

エローラ最大の見所のヒンドゥー教石窟第16番。上方草の生えているところが岩山のトップなわけで、つまりそれより下は岩だったわけで、目に見えているものは岩から掘り出したものなわけです。カナヅチとノミだけで。今から1200年くらい前に。

仏教は男女の触れ合いがNGですが、ヒンドゥー教はOKなんですね〜の象徴。

日本でも有名なガネーシャ

本名は知りませんが、ヒンドゥー流阿修羅像だな、と思いパチリ。

インド人写真が大好き!!!100人くらいに「マム!セルフィー!セルフィー!」とせがまれた。人気者は楽じゃ無い。

ジャイナ教石窟まではバスで移動。ジャイナ教はモノを所有しないとか殺生をしない(土中に埋まる食べ物も食べない。根菜とか。土に埋まっている昆虫を傷つけることもあるから。)など、かなり敬虔な宗教。

繊細美です

昔は色が塗られていたようだ。この石窟では色残りが確認できたけど、他の石窟もそうだったのかなぁ?ジャイナ教の神は大切な場所もオープンなのが特徴なんだとか。

 ただ、石窟群はあまりにも巨大で疲れ果てて途中ヒンドゥー教石窟をいくつかとばしました。